こんにちは、しもすけ(@shimosuke_)です。
腎臓悪化や糖尿病で、いよいよ透析導入を考えなきゃいけないけれど、わからないことだらけで不安。
透析患者さんの多くが通ってきた道です。
実際、僕も不安になりインターネットを使ってたくさん調べました。
それでも、いざ導入間近となるとなかなか不安は解消されないまま。
この記事を読んでいるみなさんも、同じような不安を抱えているのではないでしょうか。
今回は、僕の経験や知り合いの透析患者さんから聞いたお話などを元に、Q&A形式の記事を書くことにしました。
透析導入前で不安を抱えている方は参考にしてください。
透析中の不安や疑問
まずは、一番多いであろう透析中の不安や疑問です。
「針を刺したときの痛みがすごいと聞いて不安」
「体を長時間動かせないのはつらい」
よく聞きますし、僕もかなり不安でした。
- 穿刺は本当に痛いの?
- 透析中にシャント側の腕や体を動かしたらダメ?
- 透析中に寝てはいけない?
透析導入前の方からよく耳にしたのは上記の3つ。
ひとつずつ答えていきます。
また、この記事は血液透析の方に向けて書かれていることをご了承ください。
穿刺は本当に痛いの?
痛みはあるけれど、そこまで痛くはない!
透析で使う針は、採血や予防注射などで使う針よりもかなり太いです。
それを説明され、痛みについて不安を抱えている方は多いのではないでしょうか。
ですが、僕は想像していたよりも痛くないというのが正直な感想です。
まわりの透析患者さんから聞いたお話も、やはり痛みは軽いとのこと。
もちろん痛みの感じやすさは人それぞれですし、針を刺す方によって多少の差はあります。
そうは言ってもやはり不安だ!という方も安心してください。
穿刺前に、テープやクリームタイプの麻酔薬を使えます。
透析センターによっては、痛み止めの内服薬を出してくれるので安心ですね。
透析中にシャント側の腕や体を動かしたらダメ?
シャント側の腕は注意が必要。それ以外の箇所は動かしても大丈夫!
血液透析では、腕にシャントを作ります。
先生や看護師に「シャントは大切にしてくださいね」と強く念を押されるほど大切なものです。
そんな大切なシャントを、透析中に動かして大丈夫なのか不安になりますよね。
確かに、シャント側の腕をあまり激しく動かしてはいけません。
腕を激しく動かすと透析装置から音がなります。けれど、言ってしまえばその程度なんですよね。
とはいえ、何回も音がなると看護師に注意されるので気をつけましょう(経験済)。
僕はブックスタンドを使って、タブレットやスマホをみたり読書をしたりしていますが、その程度なら音がなることはほとんどありません。
両手で文庫本を読む方もいるくらいなので、そこまで神経質にならなくても大丈夫。
もちろん、シャント側の腕をあまり動かさないように注意は必要です。
以下の記事で、透析中にあると便利なものを紹介していますので、参考にしてください。
透析中に運動療法を取り入れている透析センターもあります。
透析中に寝てはいけない?
看護師や先生がいるので、寝ても大丈夫です!
先程の「透析中にシャント側の腕や体を動かしたらダメ?」と似ているのですが、わりと多いのが「寝てはいけないの?」という不安です。
検索でも、「透析 寝てはいけない」と出てくるほど。
答えは、寝ても大丈夫です!
実際に、僕も看護師に聞いたことがあるので間違いありません。
血液透析中は、どうしても血圧の変動が激しくなります。
低血圧や高血圧の方は、寝てしまうことで悪化するのでは?と考えてしまうかもしれません。
ですが、透析センターには常に看護師が近くで見てくれていますし、先生もセンター内にいます。
もし何か異常があっても、すぐ対処してくれるので安心して寝てください。
透析導入にあたっての不安や疑問
透析中の不安や疑問が解決しても、やはり気になるのが費用などの透析を導入することで起こる不安ですよね。
- 透析の費用は高額?
- 食事や水分制限は厳しい?
- 透析を導入したら余命が短くなる?
こちらも、僕がよく耳にしたものを上記3つに絞って答えていこうと思います。
透析の費用は高額?
とても高額ですが、しっかりとした助成制度があるので安心!
血液透析にかかる費用は、月に約40万円。年間で約480万円もかかるんです。
そこに薬代や検査費など上乗せされて……考えたくもありませんね。
けれど、安心してください。
透析患者さんの負担を軽減してくれる助成制度があるので、実際の負担額は1~2万円ほどで済みます。
- 特定疾病(特定疾病療養受療制度)
- 重度心身障害者医療費助成制度
- 自立支援医療(更生医療)制度
この他にも、都道府県や市区町村などによって独自の制度を設けている場合があります。
また、上記の制度も一部申請方法や対象者が異なりますので、詳しくは住んでいる自治体へお問い合わせください。
山陽腎クリニックさんのサイトに詳しい説明がありましたので、リンクを貼っておきます。
助成制度とは別の話にはなってしまいますが、透析をしている方は障害年金を受給できる可能性があります。
実際に僕も受給していますので、助成制度と合わせて検討してみてください。
食事や水分制限は厳しい?
どちらもある程度の制限は必要。けれど、透析導入前よりは楽になる可能性が高い!
透析導入したら普通の食事がとれなくなって、水分も我慢しなきゃいけない。
そう思っている方は、ものすごく多いですよね。
安心してください。
水分や塩分、カリウム、リンなどのとりすぎに注意していれば食事を楽しむことができます!
透析導入前は、なんとか透析導入を事前に食い止めようと、かなり厳しい食事や水分制限をされた方も多いことでしょう。
ところが、いざ透析が始まるとしっかり食べてエネルギーを蓄えましょうと言われます。
ドライウェイトなどの調整もありますので、食べ過ぎや飲み過ぎには注意が必要ですが、美味しいごはんが食べられるのは嬉しいですよね!
食事ですが、良質なたんぱく質が摂取できる肉や魚を、カリウムやリンなどに注意しながら食べるのがおすすめ!水分だけはある程度我慢が必要です。
特に塩分&水分の味噌汁やラーメンは天敵ですので、どうしても食べたい方は先生や栄養士と相談の上、ご褒美の日などを自分で決めて食べるのもよいですよ!
透析を導入したら余命が短くなる?
一般の方と比べて低くはなりますが、医学の進歩とともに平均余命は伸びていると考えられます!
僕のまわりでも「透析=もう長くは生きられない」というご年配の方がいました。
確かにインターネットなどで調べると、透析患者さんは一般の方に比べて平均余命が半分というデータをよく見かけます。
しかし、その多くは2003年頃の古いデータであり、現在は改善傾向にあるんです!
最新データは、日本透析医学会の文献をご覧ください。
参考文献:日本透析医学会 わが国の慢性透析療法の現況2020年12月31日現在
日本の透析医療の成績はトップレベルなので、安心して透析導入できます。
参考サイト:AREA dot.「なぜ、日本の透析医療の成績は世界一なのか? 専門医の答えは?」
僕はただの透析患者であり、医学知識があるわけではありません。
それでも伝えたいことがあります。
病気で苦しむのなら、透析導入という選択肢を増やしてほしいのです。
僕も15歳で肝臓移植をして、もうすぐ40歳。
余命宣告されながらも、闘病歴25年(透析歴は5年)になろうとしている今だからこそ言えます。
生きられる可能性があるのなら、諦めないでください。諦めてはだめです。
不安や疑問を解消して透析導入へ
冒頭でもお伝えしたように、透析導入前はわからないことだらけで不安です。僕もそうでした。
けれど、いざ導入してみると苦痛も少なく治療に専念できています。
日本の透析患者の生存率は世界的にみてもかなりよいといわれていますので、透析導入も前向きに検討してほしいです。
今回は、透析中と透析導入にあたっての不安や疑問を、それぞれ3つに絞ってお答えしました。
まだまだ、たくさん悩みはあふれていると思います。
そんなときは、迷わず身近な人に相談するのもよいですし、僕でよければお問い合わせからメッセージください。
この記事を読んでくださった方の、不安や疑問が少しでも解消されたら幸いです。